甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根3回目-2日目 2010.06.12

若干の肌寒さと共に午前3時頃目が覚めた。外では学生パーティが食事の支度をしている様子。
今日の行動開始は4時30分頃なのでもう少しシュラフの中でぼんやりすごそう。
次第に外が明るみ始め、鳥がさえずりだした。よし、おきるか。

昨日の昼食のときに食べなかったランチパックを行動食代わりに食べ、テントを出ると外は快晴だった。

今日は晴天に恵まれそうだ。

雲海の向こうに八ヶ岳。
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鳳凰三山と富士山。
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荷物はテントにデポし、必要なものだけをザックにつめる。
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一人静かにゆっくりと歩きたいがため、学生パーティが出発するのを待って10分後の4時40分頃に出発した。

テン場を出発し、ものの5分も歩くと残雪が姿を現す。先行の学生パーティが作ってくれたステップをたどって登ってゆく。雪道には苦手意識がある私、バテないようにゆっくりを意識して登っていたつもりだが、すぐに学生パーティに追いついてしまった。どうやら体調はかなりいいみたいだ。学生パーティを追い越して先頭に立った。ここからはキックステップで足場を作りながらの登り。
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かなりバテるかと思ったが、ざくざくと登っていける。その速さ、まるで自分の体じゃないと思うくらいびっくり。みるみる学生パーティを引き離し、一気にはい松地帯まで出た。その後若干ペースを落としたものの、テン場から50分ほどで8合目到着。目の前には壁のような山容が広がる。山頂はまだ遠いな・・・
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昨日からの恐怖感というか緊張感はいまだ継続中、登ることよりも無事下山することばかり強く願っていた。

そんな思いで登っている途中で、残雪で道が隠されたトラバースに出た。
下は谷に向かって一直線、足を取られたら止まりそうもないので足を踏み出すのをためらう。上部から行こうとするも傾斜がきつく難しそう。

ここで引き返そうかな・・・と本気で考え戻る方向を見ると、自分がいる位置からちょっと降りたところに木があって、それを支点に渡れそうなところを見つけた。ここを試してみよう。。。そして駄目なら引き返そう。

落ちた時を考えると恐ろしい・・・
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ルート選択は当たり、何とかクリアできた。ただ、降りが心配。

その後も残雪の稜線、トラバースと怖いところが続いたが何とかクリアしていく。クサリ場もクリアし、着実に高度を稼いでいく。でも、怖い気持ちがなくならない。こんなことは初めてだ、どうしたんだ!?

と、ふと視線を上げると・・・
おぉ~、北岳が見えてるじゃん!!こちら側から見るとすごい尖がってるのね。
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若干の元気をもらって上を目指す。

剣が突き立った大岩を超えると漸く山頂の祠が見えた。あともう少しだ!
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山頂が突然目の前に現れた。本当に突然に。それだけ必死に登ってたってことだろう。
東峰に祀られた社に向かう。感動のあまり言葉にならない。
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社に向かって手を合わせる。
「無事登りました、降りもどうかお守りください」

「生まれてくる子供が丈夫に育ちますように」

頭を上げると、漸く頂上に達したという実感がわいてきた。

よし、最後の詰めだ、西峰に行こう。

こちらの祠でも手を合わせる。
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770mの登山口を出発し、6時45分、2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に到着。多分、本日の一番乗りだ。
なんともいえない感慨がこみ上げてくる。

早速嫁にメール。
そういえば、甲斐駒ヶ岳は電波は不安定だけど携帯はほぼつながっていた。

しばし、山頂を独占。

奥は仙丈ヶ岳
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白峰三山と塩見岳
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鳳凰三山と奥には富士山
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鋸岳と奥に槍穂高
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中央アルプス
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八ヶ岳
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2500mを超える山々だけが雲海の上に頭を出している。

「やあ、調子はどうだい?お前のところはまだ真っ白だな」

限られた巨峰同士がそんな言葉を交わしているようだ。


さあ、下山だ。今日はここから2200m降らなければいけない。登りはノーアイゼンで登ったが、下りは転倒が怖いので軽アイゼンを装着した。でも所詮気休め、急な斜面の氷だとやっぱりすべる(汗
それでも不思議と恐怖感は薄らいでいた。どうやら、高度感になれてきたのも原因のようだ。残雪のトラバースも注意してクリアし、1時間でテン場に到着。

腹が減ったので朝食にする。
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メニューはマルタイラーメン。初めて食べたけどおいしかった。山頂往復で失われた塩分を体が欲しているのがわかる。食べ終わったらテントを撤収。

と、本日の第一登山者が登ってきた。軽装なので多分日帰りするのだろう。すごい。。。

荷物をまとめて9時に下山開始。七丈小屋を過ぎて梯子に差し掛かると続々と登山者が登ってきた。今夜は小屋も結構な人だろう。昨日のうちに登ってきて正解だった。というか、黒戸尾根ってこんな人気のルートだっけ?(汗

順調に梯子の難所をクリアし、下山道を登り?
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刀利天狗に到着。ここまでで20人くらいはすれ違っているはずだ。
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刃渡りも無事クリア。ここまでくればもう危険な場所はない。
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ただし、、、ここからが黒戸尾根の真髄。延々と続く樹林帯を1200mも下降しなければならない。

それじゃあ行くか。

急な八丁坂。
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早くも足にくる。

暑い・・・


笹の平についた、あと半分だ。
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長い長い長い長い!


甲府盆地が見えてきたぞ。
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ひー、もう駄目、足が限界。しばし休憩する。足の裏がジンジン、若干痙攣気味(汗


再度歩き出す。落ち葉がクッションになっていると助かる。
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駄目だ、5分おきに10秒休憩を繰り返す。

やっぱり長いな~、精神的にキマス。

1000m付近のトラバース。もう一息だ。
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と、突然獣の悲鳴のような鳴き声が!!ふとその方に目をやると黒い物体が猛スピードで移動していた。
まさか、、、クマですか!?いやいやいや、きっと目の錯覚だ。そうだ疲れているからだ。きっとそうだ。

その後はパンパン手を打ちながら歩いた。


そして、12時過ぎに漸く登山口に到着。


駒ヶ岳神社に、無事下山できたことを感謝し手を合わせた。
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もちろん生まれてくる子供の健康もお願いしてきた。

そして、嫁にも感謝。


駐車場に着くと、唖然。すごい車の数だ!!
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車で着替えを済ませたらあとは帰るだけ。さぁ、我が家に帰るか!

ふと振り向くと山頂は雲に覆われていた。少ない快晴のチャンスに登頂できたことに感謝。
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そして、糖分補給。でかいのは目の錯覚ではなく850mlだから(笑
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途中渋滞することもなく15時に帰宅。


永遠のライバル(笑、黒戸尾根を3度目にして往復できた。
甲斐駒ヶ岳、当初は信仰の山というのでちょっと重いイメージがあったが、他の山からその山容を見てから気になりだした。そしていざ登ってみたらその男らしさ(かっこよさ?)からますます好きになった。
しばらくは行きたいと思わないけど、黒戸尾根は多分また行くだろう。でも次はテント担いでいくのはやめたいな。小屋泊まりにするか、日帰りに挑戦するか。いずれにしても荷物を軽量化して、道中のリスクを減らしたいと思う。やっぱ重い荷物で梯子とかクサリとか怖いんだよね、いつ落ちるかって・・・

それと行ったことのないルートを一人で、しかも重い荷物を担いでいくのは今後は控えよう。自分自身でも怖いし、家で待ってる嫁にも心配かける。もうすぐ人の親にもなるしね。

といいつつも、日本三大急登2つ目クリア!!さあ、残るは裏銀座だぜ!!


あ、そうだ、

「パパは黒戸尾根を一人で登ったんだよ」

いつの日か子供に自慢しよう。

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